アーカイブ | 12月 2017

  • 高血圧に効くメインテートとアーチストの違い

    最初に断っておきますが、メインテートもアーチストもアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)ではありません。 アンジオテンシン変換酵素阻害薬はもっぱら高血圧や心不全に使われている薬で、狭心症に使われることはありません。 メインテート(一般名はビソプロロール)もアーチスト(一般名はカルベジロール)も、どちらも高血圧や狭心症、心不全の治療に使われている薬です。用途はほぼ同じですが、メインテートは選択的β1遮断薬で、アーチストはαβ遮断薬なので種類が違います。 β遮断薬はβブロッカーとも呼ばれていますが、心臓のβ1受容体と言う部分を遮断することで心筋の収縮力を抑えたり、刺激伝達系の働きを抑えたりして不整脈を抑制する作用があります。そのため、メインテートは不整脈の治療にも使われています。心臓の拍出量を抑えて心臓の負担を軽減するので、高血圧や心不全にも有効です。心臓の運動量が減るので、心臓が必要としている酸素量が少なくなって狭心症による胸の痛みや圧迫感を改善します。 アーチストはβ1受容体だけではなくわずかですがα1、β1、β2も遮断します。α受容体を遮断するので、末梢血管が収縮するのも抑制して血圧を下げます。血管が収縮するのを抑制するので、狭心症で心臓が虚血状態になるのを防ぎます。 しかし、アーチストは不整脈の治療には適応となっていません。ここがメインテートと大きく違う所です。 どちらも、飲み合わせに注意が必要な薬剤がたくさんあります。作用を増強する飲み合わせとして、妊娠高血圧の治療でよく使われているヒドララジンや胃潰瘍の時によく使われるシメチジンがあげられます。薬が効きすぎて低血圧となる可能性があるので、注意が必要です。 飲み合わせた両方の薬剤の作用を増強させるものは、カルシウム拮抗薬や強心剤のジキタリスがあげられています。アーチストの作用を減弱させるものにリファンピシンがありますが、抗生物質の一つです。血糖降圧剤と一緒に飲むと、血糖値が下がり過ぎることがあります。 他の薬を服用中の人は、飲み合わせを確認するためにお薬手帳を担当医に見せてください。また、サプリメントや漢方薬や健康食品の中には、血圧を上げたり下げたりする成分を含んでいる物の少なくありません。これらもきちんと担当医に申告しましょう。 メインテートやアーチストの副作用として、めまいや立ちくらみ、ふらつきの症状が出ることがあります。車の運転中や高所での作業中にめまいが起きると危険ですので、充分に注意してください。